全日本空輸、つまりANAでは、三井住友カードと提携しANA VISAカード(ANA一般カード)というクレジットカードを発行しています。
こちらのクレジットカードはANAのマイレージカードとクレジットカードが一体化しているようなもので、飛行機によく乗るという人には大変使い勝手が良い1枚となっています。今回はそんなANA VISAカードの審査の流れやポイントプログラムの特徴を、基本情報を交えつつお伝えしていきます。
目次
ANA VISAカードの基本情報
国際ブランドはVISA、発行は三井住友カード
ではまず、ANA VISAカードの基本情報から確認していきます。
こちらのカードの国際ブランドはVISAで、発行はVISAブランドの日本国内プロパーともいえる三井住友カードが担当しています。
またこちらのカードは冒頭でも紹介した通りANAのマイレージカードという側面も持っていますので、よくANAを利用するという場合は必携の1枚となっています。
またオンラインでの手続きはできませんが、郵送などで手続きを行うことで家族カードの発行も行うことができるようになっています。
さらにETCカードの発行にも対応しており、このカードがあればETCカードと家族カードという、何かと必要になりそうなカード類すべてをゲットすることができます。
年会費は初年度無料
気になる年会費ですが、こちらは初年度が無料となっています。翌年度以降については1年あたり税別500円がかかるのですが、実はこの500円については無料にする方法が用意されています。
先程こちらのカードではETCカードを同時に発行することができるとお伝えしましたが、そのETCカードを年間1回以上利用すると、翌年の年会費が無料になるという得典があります。
そのため、こちらのANA VISAカードを年会費無料にしたいという場合は最初にカードを発行する際にETCカードの発行もお願いしておき、実際にETCカードが到着した段階で1回以上高速道路を利用しておけば問題はないでしょう。
空港関係施設の割引はおまかせ!
またこちらに関しても後ほど詳しくお伝えしていきますが、ANAという名前を冠するだけあって空港などに出店している「ANA FESTA」や「ANA DUTY FREE SHOP」、或いはANA国内線、国際線などの機内販売で割引を受けることもできるようになっています。
やはり旅行や出張などでANAをよく利用するという場合には持っておきたいところですね。
ANA VISAカードの審査の流れ
ANA VISAカードの審査
こちらのANA VISAカードの審査についてはどのようになっているのでしょうか。こちらも詳しく確認していきましょう。
まずこちらのカード入会資格に関しては高校生、大学生は除く満18歳以上の方ということになっていますので、ほぼ三井住友カードの入会資格と同様のものとなっています。
審査については三井住友カードのプロパーカードほどのハードルの高さはないものの、やはりそれなりに審査は厳しいものが予想されます。
具体的には、現在進行形で個人信用情報(クレヒス)に支払い遅延等の情報が記録されている状況だと、年収や勤続年数などにかかわらず、まず間違いなく審査には通過できません。一部流通系のクレジットカードなどでは現在進行形の支払い遅れに関してもある程度目をつぶってくれるというような傾向がありますが、三井住友カードはそこまで甘くはありません。目をつぶるどころか、むしろ両目を大きく開いて厳しく審査をするようなイメージです。
その他にも過去直近24ヶ月(2年間)に金融事故などを起こしている場合については、三井住友が比較的過去の情報を重視する傾向にありますので、こちらも同様に審査には若干不利になるものと思って良いでしょう。
ちなみにこちらのカードへ申し込みを行った際に参照される個人信用情報機関はCIC、JICCのみとなっていますので、全銀協については参照がなされません。
とはいうもののCIC、JICCでほとんどのクレジット履歴が参照できてしまいますので、やはり何かしらクレヒスに傷がついている状態だと難しいものがあるのかもしれません。
反対に特段の傷がついていないという場合については年収等にはあまり左右されることなく、クレヒスさえ良好であれば十分審査に合格できる可能性があります。
また在籍確認についても三井住友カードの基準で行われていますので、初めて三井住友カードのクレジットカードに申し込んだ場合や過去に何のクレジットヒストリーもない、いわゆるホワイトの状態であるときなど、審査側で過去の支払い実績が一切確認できないという場合には比較的高確率で在籍確認の電話が入るようになっています。
反対に直近数ヶ月以内に1つでも他社などでクレジット契約を行い、その時に勤務先などの登録を行っている場合には、その勤務先と電話番号が今回申し込みのものと一致している場合に限り在籍確認が入らないケースもあります。
特に数十年単位でクレヒスを積み重ねており、勤務先も長らく変更がないという場合には限りなく在籍確認の電話が入らない可能性が高いということができますね。
ANA VISAカードの申込方法と受取方法
そして実際にANA VISAカードに申し込みを行うには、WEBからの申し込みが大変便利です。
公式サイトから個人情報の取り扱いに関する重要事項や会員規約等に同意の上申し込みフォームを表示させます。またこの時、申し込みの段階で金融機関の通帳もしくはキャッシュカード(引き落とし口座として使用)、運転免許証持っている場合は運転免許証も手元に用意しておくとスムーズです。
おおよそ申し込み情報の入力にかかる時間は慣れている人で約10分、慣れていない人でも20分もあれば満足に申し込み情報の入力が完了するのではないでしょうか。
申し込みフォームでは個人に関する情報や職業、住まいや居住年数に関する情報、利用代金の支払い口座の区別(銀行や銀行、組合とゆうちょ銀行のいずれか)などを入力し、審査に臨みます。
ちなみに希望のカードの詳細については本人情報と職業などの情報の入力の後で設定することになりますので、まずは最初に重要な情報を埋めていくようにしましょう。
なおこの時、インターネットで引き落とし口座設定が可能ならくらく発行というシステムに対応している金融機関の口座を持っている場合は「3営業日発行」という申し込み形態を利用することができます。
この方法で申し込みを行うと審査に通過した時に最短3営業日でカードを発送してもらえますので、何かとカードが届くまでに時間がかかるということで有名な三井住友のカードを最短1週間程度でゲットすることができるようになります。
こちらの「3営業日発行」については審査状況によって引き受けてもらえないケースもありますその場合は別途郵送でのやりとりなどが発生するケースもありますので、三井住友カードの指示に従うようにしたいところです。
無事に審査に通過しカードが送られて来た段階で、クレジットカードの利用がスタートします。
ANA VISAカードのポイントプログラムの詳細
三井住友カードの「ワールドプレゼント」が貯まる
ANA VISAカードのポイントプログラム詳細について紹介していきます。
まずこちらのカードのポイントプログラムは三井住友カードが提供する「ワールドプレゼント」というものが採用されています。
こちらのポイントプログラムは税込み1000円ごとに1ポイントが貯まり、ポイントはANAマイレージクラブのマイルへ移行したり商品と交換、あるいはキャッシュバック、ギフトカード、他ポイントへ移行したりと、非常に幅広く利用できます。
そのため還元率自体は交換先により変動しますが、例えば楽天スーパーポイントに交換する際のレートはワールドプレゼント1ポイントが楽天スーパーポイント5ポイントとなるため0.5%の還元率となります。交換先によっては0.5%を下回ることもあるので事前に確認をしておくと悲しい思いをしないで済むのではないでしょうか。
なお原則として通常のVISAカード加盟店であれば決済によってポイントが貯まっていくのですが、nanacoクレジットチャージ、国民年金保険料、モバイルSuica(Apple)など、ポイント付与対象外の決済もありますので注意が必要です。
なお、ポイントの有効期限は2年となっていますので、比較的長い時間じっくりとポイントを貯めるのに向いているのではないでしょうか。そして以下のようなポイントアッププログラムが用意されているので、積極的に活用していきたいですね。
「ポイントUPモール」でポイントが2~20倍
三井住友カードでは自社のオンラインショッピングモールとして「ポイントUPモール」というものを展開しています。こちらのサイトを通して各種オンラインショップで買い物をし、その代金の決済をこちらのANA VISAカードで行うだけでポイントの付与率が2倍から最高20倍という驚異の付与率にアップします。
主なショップ名としてはアイリスプラザやアマゾン、アカチャンホンポ、イトーヨーカドーネット通販、イブ・サンローラン公式オンラインブティックなどが挙げられ、特段加盟店の少なさでストレスを感じることはないでしょう。
「ココイコ!」
こちらのサービスは文字通り「ココイコ!」と街中で急に決まった行き先でもスマホなどから来店前にエントリーを行い、その上でカード決済を行うと割引などの各種特典を受けることができるになっています。
こちらは三井住友カードのオンライン会員サイトである「VPASS」に登録することが必須となっていますが、非常に新しいサービスなため、ぜひ一度は試しておきたいところです。
入会時と毎年の継続時にボーナスマイル
ここまで何かと三井住友カードの標準装備的なポイントプログラムについて紹介をしてきましたがもちろんANAカードとしてのポイントプログラムも持ち合わせています。
まずマイルの蓄積に関してですが、こちらは入会時と毎年クレジットカードを継続しているという時にボーナスマイルをもらえるようになっています。もらえるマイルについてはそれぞれ1000マイルとなっており、こちらも毎年もらえるのであれば絶対に見逃せないポイントです。
年間の利用額に応じてボーナスポイント
またきちんと年間の利用額に応じたボーナスポイントの付与も行っており、こちらのクレジットカードで航空チケット代を含め年間の買い物累計額が50万円以上になると翌年のボーナスポイント加算の対象になります。そこからは年間100万円~300万円未満の利用、或いは300万円以上の利用と段階がわかれており、利用額に応じてポイントの加算も増えていくという仕組みになっています。
対象期間:2月~翌年1月
年間の買物累計額 | 翌年のボーナスポイント |
---|---|
50万円以上100万円未満 | 50万円で50ポイント、
以降10万円ごとに10ポイント |
100万円以上~300万円未満 | 50万円で50ポイント、
以降10万円ごとに15ポイント |
300万円以上 | 50万円で150ポイント、
以降10万円ごとに30ポイント |
プレミアムポイント加盟店でポイントアップ
また、プレミアムポイント加盟店というお店があり、ホテルモントレなどの加盟店や、V-collectionのネットショッピングを利用するとそれだけでポイント付与率が2~20倍に
なるという得典も持ち合わせています。
こちらポイントアップモードの利用でなくても最大20倍というポイント付与率のため、是非ともお店などを押さえておきたいところですね。
マイ・ペイすリボ
またリボ払いの設定であるマイ・ペイすリボを適用させると年会費が割引になる他、ワールドプレゼントのポイントが2倍になるなどの各種特典もついてきます。そもそもリボ払いは資金繰りを楽にするための分割払いのようなものですので、そんなリボ払いの他に年会費や割引などのサービスが受けられるのは非常に嬉しいところです。
ポイントはマイルにも交換可能!
先程までのご紹介のように各方法で貯めたポイントについては、マイルにも交換することができるようになっています。
交換レートは1ポイントを10マイルに交換する場合(10マイルコース)と、1ポイントを5マイルに交換する場合(5マイルコース)の2つのコースが用意されています。
マイルへの交換方法も2種類用意されており、ワールドプレゼントのポイントを自動的にANAのマイルに移行できる「自動移行方式」と貯まったポイントを好きなタイミングで商品やマイルに交換する「応募方式」があります。
なお、5マイルコースは移行手数料が無料となっていますが、10マイルコースは移行手数料が年6000円+税がかかりますがその分5マイルコースよりマイルを貯めやすくなっています。ポイントについては有効期限が2年間となっていますので、まずは2年間じっくりポイントを貯め、移行手数料を払ってマイル交換するのもひとつの方法ではないでしょうか。
また、ポイントはANAのマイルだけではなくシンガポール航空のクリスフライヤーマイレージやアリタリアイタリア航空のミッレミリアマイレージに移行することも可能となっています。
ANA VISAカードの特典
ANA関係の店舗での割引が嬉しい
ではANA VISAカード自体を持っている事に対する得典にはどのようなものがあるのでしょうか。こちらも確認していきます。
まずは何と言ってもANA関係の店舗やサービスでの割引が嬉しいというポイントが挙げられます。
国内の主要空港には必ずといっていいほど出店されているANA関係フェスタや各種店舗、ANAスカイホリデー・ANAハローツアー・ANA SKY WEB TOURでは利用時に代金が5%OFFになります。また、国内線・国際線機内販売では10%OFFなどのサービスも用意されていますので、空港から機内までとことん割引を楽しむことができるようになっています。
安心の保険/補償サービス
そしてこちらのANA VISAカードについては安心の保険/保証サービスも付帯しています。
まずは国内海外旅行の旅行傷害保険がその筆頭格で、最高1000万円という補償額になっています。なお、こちらは国内海外問わず自動付帯です。
その他ショッピング補償についても年間100万円を上限として受けることができるようになっています。ただし、こちらは国内での買い物についてはリボ払いもしくは3回以上の分割払いを適用している買い物に限られ、国外の買い物については全般認められるという違いがありますので万が一の際に勘違いしないように注意が必要です。
最新の電子マネーにも対応
また、ANA VISAカードについてはiD、楽天Edy、Apple Payなどの最新の電子マネーにも対応しています。それぞれ紐づけなどが可能になっていますので、クレジットカードが手元に届いたらまずはこちらの電子マネーを対応させるというのもスマートな使い方の一つではないでしょうか。
キャッシング機能について
最高100万円のキャッシング枠
ではここでANA VISAカードのキャッシング機能について解説をしていきます。
こちらのカードにもキャッシング枠を設定することができるようになっており、申し込み時などにキャッシング枠をつけて欲しいと願い出ることによって審査が行われ、その審査の結果に基づいてキャッシング枠が付与されることになっています。こちらのクレジットカード全体のキャッシング枠は最高額100万円となっており、仮に100万円満額のキャッシング枠が出た場合には事実上いつでも・どこでも100万円を現金ですぐに用意できるような環境が整ったということになります。
人間生きていれば何かと急な物入りが生じる場合もありますので、もし審査に特段の不安がない場合でクレヒスについても多少の自信があるという場合にはキャッシング枠の付与を願いでても良いでしょう。
全国のATMで融資可能
そしてキャッシング枠が付与された場合には全国の提携金融機関のATMからお金を下ろすような形で融資を受けることが可能となっています。提携金融機関というのは主に三井住友のロゴが入っているATMやコンビニのATM全般、イオン銀行、セブン銀行、イーネットATMなどが対象となっています。(一部対象外のATMもありますので、事前に確認しておくと良いでしょう)
返済は原則リボ扱い
そしてクレジットカードのキャッシング枠の返済ですが、クレジットカード業界の中では昔からキャッシング枠の返済については使った分を全額翌月一括で支払うというのが常識でした。しかし、三井住友カードが提携して発行しているANA VISAカードについてはキャッシング利用分についてもリボ払いを推奨しており、原則としてキャッシングでお金を借りた翌月からはリボ扱いでの返済がスタートすることになります。
しかしリボ払いであれば大きなお金を借りたとしても翌月の返済額を少なく抑えることができるため、資金状況の変動も小さなものにすることが可能です。大きなお金を動かしてしまった翌月は何かとその反動も大きくなりバランスが崩れやすいため、できる限り小さい支払い額になっているとベストなものです。そこを行くとこちらのキャッシングの返済がリボ払いというのは、大変理にかなった、使用者にとっても嬉しいサービスといえるのではないでしょうか。
まとめ
今回は航空会社であるANAと三井住友カードが提携して発行しているクレジットカードでのANA VISAカードについて、そのポイントプログラムの詳細や充実の保証内容、そして審査の流れや難易度について紹介をしてきました。やはり三井住友独自のポイントプログラムの強さと、ANAが持つマイルの積算や各店舗の割引サービスが組み合わさり非常にバランスのよい1枚となっていることがわかります。年会費もそこまで高くはありませんし、実質無料にする方法も用意されていますので、ぜひ申し込んでおくと良いのではないでしょうか。